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プロペシアの自殺衝動を米国食品医薬局(FDA)が副反応リストに追加を通達

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2022年6月、遂に米国食品医薬局 (FDA)がプロペシアを始めてする、フィナステリド製剤を販売する製薬会社に、使用上注意の文書に「自殺衝動」を追加するよう指示を出しました。

今回の決定はフィナステリドを開発し、世界ではじめて承認した医療先進国のアメリカの医薬品庁が出した通達です。



2010年にプロペシアの副反応がはじめて報告され、12年経過。この間、海外で紹介されている様々な論文などを紹介してきましたが、多くの方は日本の医師が「副反応は存在しないか、発生しても軽症で一時的」という言葉を信じていたと思います。

日本ではプロペシアの副作用がデマのような説明がされ続けていました。

今回は一つの研究結果で実証されたというレベルではなく、開発国の医薬品庁が、「自殺衝動」という重度の副反応のリスクを認めたことになります。

このブログにも否定的な意見を多くいただいていたかと思いますが、漸くこの問題の大きな節目が訪れました。

過去のプロペシアに関する副作用の記事一覧

日本と韓国でしか育毛薬として承認されていないザガーロの副反応はフィナステリドよりも遥かに重症化する懸念が日本でも露呈してきました。製薬会社からはプロペシアに酷似した副反応の懸念が2021年6月に改定された使用上注意に追記されました。

ところがその情報を製薬会社は医師などには共有していても、肝心な患者と共有されていません。

ザガーロに関連する過去の記事

これらの功績はすべて、フィナステリド製剤による副反応に苦しみ患者やその原因や治療法に取り組む研究者を資金や情報面でを支え続けた Post Finasteride Syndrome 財団の功績です。

更にはロイター社の記者が、プロペシアの副反応に対する集団訴訟の証拠や証言の開示請求したこと。僅か4年前にもメリク社がサウジアラビアで副反応の恐れをわざわざ「秘匿」扱いで医療従事者だけが配布していたことが発見したPFSの調査も寄与したと思います。

残念なことはこれらの出来事が全く、日本では報道されないこと。また日本でAGA治療薬を処方している医師達が患者に事前説明を行わないことです。

自由診療である以上、副反応を発症しても自己責任となり、誰も助けてはくれず、治療法も確立していません。

どうようの問題はミノタブでも同じです。

「日本ほどの医療先進国で、薄毛治療の看板を掲げている医師が間違いや嘘を言う訳がない」と感じる方がいることも承知しています。

ですが現実は米国でも12年の努力や時間をかけ、証明された真実です。



2018年10月、プロペシア(プロペ)を開発したメリク社のサウジアラビア(SA)の支社の医薬安全情報部局長名で、同国でプロペを処方する医療従事者向けに秘匿文書扱いで「プロペによるED、鬱や自殺情動の注意」を配布していたことが2022年3月にプロペシア(プロペ)の副作用や後遺症のポストフィナステリドシンドローム(PFS)の患者の救済や研究を援助するPFS財団が、サウジアラビア食品医薬局(SFDA)のデータベースで発見しました。

右下に「Confidential」 秘匿扱いと記載されています。

メリクが副反応を認め、医療機関向けにプロペの副反応へ注意喚起をしているだけでなく、それを秘匿扱いにしていることが大きな問題として取り上げられました。

「EDや鬱、自殺情動の症状を患者がした場合、すぐに服用を中止して、専門科の受診を薦める」と記載されていました。

この注意喚起は秘匿扱いだった文書をSFDAが開示していた為、偶然発見されたものです。

サウジ食品医薬局のデータベースにアップロードされていた秘匿扱いでプロペシアの副作用の注意喚起を医療関係者に配布されていたことを示す根拠です。

同様の文書が他国でも配布されているか現時点で不明ですが、問題は一般への注意喚起は行わず、秘匿にして医療関係者だけに配布していることです。

一般の車や家電のリコールも通常は一般向けに公表されています。

世界でも日本のプロペやザガーロの副反応のリスクに対する医療従事者の軽視や患者への説明不足は酷いです。

最近もプロペの日本承認に携わった医師が経営する病院のインタビューで「プロペには副作用の医学根拠はなく、デマ」という内容のネットニュースになっていました。


この記事はプロペシアが日本での承認を受ける際、臨床データの提出に携わっていた医師が経営する医療法人の医師がインタビューを受けた際に行った回答です。



ところが海外ではプロペやザガーロなどのAGA薬の副反応のリスクを示す論文がいくつも発表されており、一部は日本の医療従事者向けの論文翻訳サイトにも、「鬱や自殺衝動・糖尿病の発症リスク」の論文などが掲載されています




育毛医療の専門学会の国際学会(ISHRS)の加盟国の中で、ザガーロは日本と韓国の2国だけでしか育毛薬として承認されていません。

その為、ザガーロの副反応の研究はPFSほど、世界規模で行われていないのですが、日本でザガーロを育毛薬として製造販売しているGSKの患者向けの使用上注意でも「10人中1人は服用中止後も性欲減退やED症状が続く」と記載しています。



日本で育毛医療に携わる従事者が専門サイトに日本語で掲載されているAGA薬のリスクについて言及した論文やGSKの使用上注意の記載内容を知らないのかはわかりません。

メリクはプロペの問題をサウジアラビアだけでなく、どの国でも医療従事者だけに「秘匿」で注意喚起をするのではなく、一般にも公表するべき問題です。

AGA薬を処方する医師も効果や有効性ばかりの説明を重視するのではなく、リスクについての事前に十分説明を行えば、副作用や後遺症に苦しむ患者も軽減できるはずです。

ところがこれだけ多くのプロペシアやザガーロの副作用や後遺症の研究や論文が世界で発表されているにも関わらず、そのような配慮が患者に提供されていません。

この問題以外にもプロペの副反応の集団訴訟の裁判でこれまで開示されていなかった、当時の関係者の証言や証拠が2020年に世界的メディアのロイター社が行った情報開示請求で公表されました。

その中でメリクの元従業員が「2010年の時点で一部の役員は副反応の問題を知りながらも、売上への影響を懸念し、必要な処置を取らなかった」と証言していたことが分かりました。

命に係わる病気ではない薄毛治療とは言え、医師であれば患者に対し、治療の有効性だけでなく、リスクについても説明を行うべきです。

製薬会社が秘匿扱いに一部の関係者にしか注意喚起を行わないことや、ネットとは言え、公の場で、医師が「プロペの副反応には医学的根拠がなく、デマ」と説明すること自体、大きな問題です。

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