top of page
  • admin

裏付けのない赤色LEDの育毛器とエビデンスが揃った低出力レーザー育毛器の違い

無断転載禁止

この数年、日本で赤色LED単体や低出力レーザー、EMSを搭載した機器が販売されていますがそれらの製品が発する光の種類や形状。多機能にする為に性能が中途半端な製品があります。

日本では赤色LEDと低出力レーザーが同一効果のような説明がされていますが、光の性質や出力。皮膚や毛根への到達率や透過力が異なります。

2017年の日本皮膚科学会のガイドライン(GL)で低出力レーザーと赤色LEDは性別を問わず、自毛植毛と同じBランクの評価ですが、赤色LEDに育毛効果があると認めているのは世界でも日本だけです。



薬(または医療機器)の有効性・安全性を調べるために、他の薬(機器)と科学的に比較する為の二重盲検試験は、薬の成分を含まないプラセボ薬(偽薬)や偽機器を参加者に内容が明かされず、ランダムに利用し、効果の検証します。

世界中で行われる低出力レーザーの臨床試験のプラセポ器(偽)として用いられるのが赤色LEDを照射する機械です。

日本皮膚科学会のGLのLEDや低出力レーザーのGLの解説を見ると、Bランクの評価の根拠となる論文の全てが655nmの低出力レーザーを用いた臨床試験で、赤色LEDは一切含まれません。

それにも関わらず、締めくくりで「LEDおよび低出力レーザーの発毛効果に関しては、有用性を示す十分な根拠があり」としながら「光源の種類、波長、出力は報告によって様々」と書かれています。

レーザーとLEDは光の波長(色)が同じでも、出力(光の強さ)が全く異なります。レーザーは集光性が高く、真っすぐ光りますが、家庭用電球や装飾用LEDなど、小さなLED球が明るいのは光が拡散するからです。

LEDを頭皮に照射しても、光は皮膚の表面しか届かず、毛穴の底部の毛乳頭ですら光が届きません。




それに対し、レーザーの集光性や出力は毛乳頭だけでなく、皮膚を透過し、頭皮の奥底まで発毛を促す波長の光が患部まで届きます。添付した画像で指の裏側から照射したレーザーが指の反対の表面まで届いているのを確認できます。



世界最大の国際毛髪外科学会(ISHRS)に加盟する米国やEUの世界96か国で男性/女性型脱毛症の治療法として、外用ミノキシジル、プロペシアに並び、低出力レーザーを第三の育毛法と認めているのは低出力レーザーのみでLEDは含まれていません。

ミノタブやザガーロを処方していない欧米で低出力レーザーを導入する医療機関は7割を超え、世界中の学術論文を掲載する8つの医療データベースで低出力レーザーの男性・女性型脱毛用に関連した論文が298件。その中でも医薬品の有効性や安全性の検証に用いる、二重盲検法で、低出力レーザーの有効性が検証した23の論文を分析したところ、「低出力レーザーは副作用もなく、「男性・女性型脱毛症に有効」との結論に至った論文が、2021年で発表。

同年、世界的な美容メーカーのロレアル社と米国バイオベンチャーの共同論文で「外用ミノキと低出力レーザーを併用し、男女や円形脱毛での育毛作用をレーザーの照射前後で皮膚生検(皮膚細胞を採取)で検証。

低出力レーザーの照射前後で、男性・女性型脱毛の要因のメッセンジャーRNA(mRNA)が消失。円形脱毛症や多発性脱毛症でもmRNAやT型細胞50%の減少を確認。外用ミノキとレーザーの併用が高い育毛効果を上げることが証明されました。

ミノキシジルやAGA薬にはない、低出力レーザーの最大効果は、毛根底部の毛乳頭に一定の出力と波長の光が当たるとATP(アデノシン三リン酸)の増加です。

性別を問わず、毛髪の成長にATPは必須物質で、血液中のたんぱく質が毛乳頭で細胞分裂のエネルギー源がATPです。

ミノキは血管拡張で血流を回復し、たんぱく質を毛乳頭に供給することが目的です。

AGA薬は5aリダクターゼ(5aRs)を阻害し、男性ホルモンと5aRSが結合し発生するDHT(ジビトロテストステロン)を抑制しても、ATPは増加しません。

年齢や性別を問わず、低出力レーザーの育毛効果は、薄毛部分のDHTの量に関係なく、ATPが増加し、細胞分裂が活発化する為です。

一般的な脱毛症以外に、自毛植毛の拒絶反応のショックロスや円形脱毛症といった特殊な脱毛にも効果が確認。

昨年発表された論文で中度~重症度の円形脱毛症の治療の順位の1位DPCP87.9%、2位 低出力レーザー77.9%。日本でもっとも行われる円形脱毛治療のSADBEは49.7%でした。

低出力レーザーの効果を知る上でいくつかの注意点や誤解があります。

評価されているレーザー器は日本の美容医療の専門誌や家電業界新聞やNHKや民放番組でも紹介していますがその反面、大手メーカー品でも品質や耐久性に問題のある商品やアジア圏で製造された粗悪品も多数存在するので注意は必要です。

問題点2

低出力レーザー器が2000年の発売開始後、2014年までブラシ型が支流でした。ところが、週3回の利用でも、5~10分を超えて、機械を頭皮に当て続ける行為が面倒となり、挫折。ブラシ型で効果を期待できる数のレーザーを搭載できず、本体を移動させながら使っても、効果を発揮するまでの時間が掛かり過ぎるという理由から、世界では被るだけの全頭照射型が支流になりました。



問題点3

赤色LEDを利用して以外に多機能にする為にレーザーやEMSを複合的に搭載していることが問題です。LED、レーザー、EMSをブラシサイズで納める為に、LEDやレーザーを数個しか搭載できず、本体を移動させながら利用しても、照射時間が不十分で効果が期待できません。

この技術に20年前に着目し、開発を続けた海外では、効果に加え、利用者の継続使用の利便性や問題点を解消した製品が販売されていますが、日本の同様品は、海外の20年前の開発初期のような機能や性能の製品の販売を始めたばかりです。

質問のブラシ型製品もレーザーが3個しか搭載されておらず、海外の全頭型と比較して、最多で104倍の312個のレーザーを搭載した製品があります。

低出力レーザーと赤色LEDの違いを知っていただくと全く異なるものであるということがわかると思います。

レーザーは「Light Amplication by Stimulated Emisson of Radiation」の頭を文字から名付けられたもので光を発生・増殖させる発振器で人工的に作られた光です。

スペクトルは倍が狭い短波長(単色)の波長や位相がそろった指向性が高い光の集まりであり、光の拡がりが少なくえれるぎーを制御しやすい特徴があります。

レーザーには炭酸ガスやヘリウム・ネオンなどを媒質した気体レーザーや半導体を媒質した半導体レーザーがありますが赤色LEDと比較されることが多いのは同じ半導体の光である、半導体レーザーです。

半導体レーザーはレーザーの発振の条件を満たした赤色LEDのことで、LD(LASER DIODE)と略されます。

半導体を流れる電流エネルギーによって発光するなどの共通点が多いのですがLDの光はレーザーである為、直進性が高いです。

光の出力方向に違いがあり、赤色LEDの光はある程度の広がりを持っているのに対し、LDの光は共振器内を何度も往復して細いビーム状になって放射されます。


違い1) 光の拡がり

赤色LEDをレンズで絞ってもあまり集光できませんが、LDから出るレーザー光は回析限界まで極小のスポットに絞り込むことが可能です。

赤色LEDでは平行光を照射するのは困難です。だからこそ、昨今、赤色LEDは小さな電球で拡散する光を照射できるので住宅の照明やイルミネーションのように小さな電球でも広くを照らすことができるのが赤色LEDの特徴です。

LDはレーザーポインターでもわかるように、レーザー光であれば遠方までほぼ同じビーム径を保つことが可能です。レーザーはその指向性の高さや制御のしやすいという特徴から医療機器や工業加工装置などに用いられています。


最重要ポイント 1

赤色LEDと低出力レーザーが酷似した、赤い光を発していても、赤色LEDは光が拡散するので頭皮表面までにしか到達しませんが、直進性の高い低出力レーザーの光は、毛根内部の毛乳頭まで到達し、ATP(アデノ三リン酸)の増幅効果を得られます。

違い2) 光の色

赤色LEDとレーザーで同じ色の光を発していたとしてもその発している光の色の波長には違いがあります。この際のポイントが655nmという赤い光です。

同じ655nmの赤い光を発するにしても、

1.赤色LEDの光は中に含まれている様々な波長の足し算の合計で照射された色です。足し算で出来ている光の色は何らかの方法で光を分毎に分ける「分光」ができます。

2.LDからは決まった波長の光しか出ていません。レーザー光は元々が決まった色の光しか含まれていないのでほとんど分けることができません。

655nmの光が頭皮の表面に当たることで育毛効果が得られるのであれば大手サロンが販売している赤色LED育毛器でも効果は期待できるかもしれませんが照射されているのは630nmの波長の光です。

最重要ポイント 2

赤色LEDの育毛器や赤色LEDを搭載する育毛ドライヤーは、低出力レーザー育毛器のような、国際的な二重盲検比較(ダブルブラインドテスト)が行われていません。

国際的な、低出力レーザー器の育毛効果の二重盲検比較試験で、偽デバイスとして用いられたのが赤色LED器であることです。

閲覧数:9回0件のコメント
bottom of page