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プロペシア内服での若年層の鬱や自殺衝動の論文が世界4大医学誌のJAMAに掲載

更新日:2022年6月20日

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AGA治療で提供する医師から、全くと言って良いほど、プロペシアの副作用や後遺症のリスクの説明が日本ではされていません。

ポストフィナステリドシンドローム(PFS・フィナステリド症候群)という形で、WHOが指定する、医薬品副反応リストにも登録されているほどです。

主な副作用としては、性欲減退、ED、鬱症状、自殺衝動、ペイロニー病などが挙げられています。

PFSに関する論文が初めて発表されたのが2010年。問題発覚後、研究者や患者を支援する財団が設立され、様々な情報が共有されるようになりました。

AGA治療薬として処方されることから、皮膚科学を専門とする医師からは、症状が多岐にわたることから、因果関係はないと考えられていましたが、その後、内分泌学、泌尿器学や、精神学の医師や専門家が研究を進めたところ、思い込みや他の影響ではなく、プロペによって引き起こされていることが高いという論文が、この10年で数多く発表されています。

医学四大誌の一つのJAMAにハーバード大学医学部の研究チームが2020年11月に発表した論文が掲載されてばかりです。

これは直近のもので、他にも同様の様々な論文が医学誌に掲載されています。

「フィナステリド治療を受けた患者の自殺傾向および心理学的な影響の調査」

https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/article-abstract/2772818 

WHO 医薬品モニタリングシステムのVigiBaseに登録されている、フィナの副反応(副作用・後遺症)事案で、自殺衝動などの、心理学的影響について、調べたところ、注目するべき内容が確認されました。

「前立腺肥大(BPH)を発症した高齢者は、AGA治療で処方された場合と比べ、遥かに高濃度のフィナ成分の治療薬を服用しているにも関わらず、心理学的な影響を受けていないこと。

フィナの成分量に関係なく、44歳以下の年齢層で、自殺衝動や心理学的影響を受けやすい」

研究結果を発表。

VigiBaseには356件の自殺衝動を訴えたケースとは別に、2926件の鬱的事例が報告されており、年齢分布を調査した結果、18~44歳までの患者が圧倒的に、上記症状を発症しやすいことがわかりました。

皮膚科医は、疑念を持っていることが多いことや、自らが処方したフィナで、副反応を発症した可能性を認めたり、リスクを患者に説明を控える傾向があります。

今回のように、医師に相談しても、他の原因ではないかと説明をするので、発症した患者は別の要因で発症したのではないかと考えてしまっています。

日本にも、医薬品の副作用を発症した際に、患者が報告をする、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が存在します。

保険適用の治療薬の場合には、救済金が支給される場合もありますが、自由診療のプロぺやザガーロは対象外です。

何より、日本だけでなく、海外でも「薄毛治療薬で、性機能の低下や自殺衝動を発症」したと、訴える勇気がない、患者が多きことが、このような問題の発覚や認知が広がらない原因と専門家も説明しています。

数年前の週刊現代で、「自らが処方したプロペが原因で、患者に副作用を発症させてしまったこと」と公表した大阪の開業医の医師がいます。

その先生によれば、プロペのリスクなど考えず処方してところ、患者が副反応を発症。

製薬会社に問い合わせても、相手にされず、医師自ら、PMDAに報告。

ようやく製薬会社から連絡があっても、ろくな対応を取ってもらえなかったと記事の中で答えています。

この先生のように、自らミスを認め、PMDAに報告を上げることはほとんどの医者が行いません。

副反応が起きた患者が自身で報告を求められます。

海外では、PFSを専門にする医師や研究者が多く、患者の訴えを、内分泌、泌尿器、精神科医などが、WHOやFDA(米国食品医薬局)に報告を上げるため、認知が広がっています。

プロペはAGAの原因となるDHT(ジビトロテストステロン)の発生を抑える為、5aリダクターゼ(5aRs)を抑制する薬です。

AGA以外にも、BPHでも同じように、5aRsは抑えることをするのですが、若年層の場合、一定レベルの5aRsの分泌がされていないと、性的や精神的影響に異常が生じます。

近年、男性更年期障害が似たような現象が起こりますが、年齢に対し、適切な量の男性ホルモンが分泌されていないことで、発症する副反応が、プロペだけでなく、ザガーロでも起きる可能性があります。

BPHを発症した高齢者は元々、男性ホルモンや5aRsの生成機能が低下して、一定期間を超えていることから、今回の研究でもわかったように、プロペでは副反応を発症しにくいとされています。

ところがカナダWestern UniversityのBlayne Welk氏らは、「アボルブ・5a還元阻害酵素薬Ⅰ型(5ARI)でうつ病のリスクが上昇」という論文を、JAMAの電子版で2017年3月20日に発表。

5ARIの使用を開始した66歳以上のBPH患者と条件がマッチする男性を比較して、5ARIが自傷とうつ病のリスクを上昇させると報告。

ザガーロは元々、アボルブというBPH薬を、育毛用に転用しているだけです。

プロペが5aRsのⅡ型しか、抑制できないところ、ザガーロはⅡ型とⅠ型の両方を抑制できることから重度のBPHには処方されています。

日本と韓国ではザガーロを育毛薬として承認をしていますが、この2国を除いて、ザガーロを育毛薬として承認している国はありません。

Ⅱ型だけでPFSのリスクがあるにも関わらず、両型を抑制するザガーロを育毛目的で利用するのは危険と判断しているからです。

ミラノ大学のロバートメルカーニ博士が2019年7月にフェーズ3の臨床試験結果で、PFSのDNA配列変化ではない、遺伝子変異がPFSで起こるが実証されました。

「PFS患者のみに特有に見られる、SRD5A2という物質の遺伝子メチル化パターンの変化が、ニューロステロイドのレベルや、様々な体の異常を引き起こすメカニズムなのではないか」と発表しました。

この物質は神経活性ステロイドは脳や中枢神経作用にも重要な役割を持ちますが、これらが性欲減退や鬱を誘発しているのではないかと結論に至っています。


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